2.ファンダメンタルズ編
もくじ
2.1 FXの秘密
1.為替相場を動かす要因
2. 事実より連想や思惑が相場を動かす
2.2 経済指標
1. 米国雇用統計
以上
4.FXの真実
もくじ
4.1 「米国」と「米ドル」が中心
1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている
4.2 動く時間にトレードする
1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている
4.3 「ニュース」を信じ過ぎるな
1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている
4.4 危機はチャンス(人様の逆を狙う)
1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている
4.5 3つのポイントで「相場観」は出来上がる
1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている
4.6 相場観をもとに「シナリオ」を作ろう
1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている
4.7 「負けている人の共通点に着目しよう
1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている
5.ボク達のFX
もくじ
5.1 テクニカル分析とは
1.イベント前後の変動で儲ける
2.トレンドで儲ける
3.揉み合いで儲ける
4.値動きの癖で儲ける
5.テクニカルインディケーターを使う
5.2 相場の心理を掴む
1.相場がドルに対して「中立」の場合
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市場予想より良い結果
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市場予想より悪い結果
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市場予想とほぼ同じ結果
2.相場が「ドル買い」のバイアスの場合
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市場予想より良い結果
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市場予想より悪い結果
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市場予想とほぼ同じ結果
3.相場が「ドル売り」のバイアスの場合
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市場予想より良い結果
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市場予想より悪い結果
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市場予想とほぼ同じ結果
6.ダウ理論
もくじ
6.1 ダウ理論とは?
1.ダウ理論とは?
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ダウ理論は、米国の証券アナリストであったチャールズ・ダウ氏が提唱したチャート分析理論です。
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元は株式市場の分析のために導き出された理論ですが、FXでも通用するものとして多くのトレーダーに活用されています。
2.ダウ理論の6つの法則
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ダウ理論は次の6つの法則から構成されます。
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法則①:価格はすべての事象を織り込む
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経済指標や金融政策といったファンダメンタルズ要因、戦争やテロ、災害なども含めて、全の事象はチャート上の値動きに反映されているという意味です。
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相場の値動きはこれらの事象を受けて形成される需給バランスによって日々変動しており、逆に言えばすべての情報が織り込まれた結果が現在のチャートであると考えることができます。
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「チャートがすべてである」とも言えるこの考え方は、FXにおいてチャート分析を重要視することの根拠となります。
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法則②:トレンドは3種類ある
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ダウ理論では、相場には次の3種類のトレンドがあるとされます。
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1年から数年間継続する「長期トレンド」
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3週間から3ヶ月間継続する「中期トレンド」
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3週間未満の「短期トレンド」
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法則③:トレンドは3段階ある
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ダウ理論ではさらに、トレンドには次の3つの段階があると考えます。
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第一段階「先行期」
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一部の先行投資家が底値で買ったり、天井から売ったりして価格に緩やかな動きが出る時期。
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第二段階「追随期」
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先行期の動きに市場全体が追随して急激な価格変動が起きる時期。
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第三段階「利食期」
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先行期にエントリーしていた投資家が利益確定を行う時期。
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法則④:平均は相互に確認される
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より高い精度でトレンドをとらえるためには、複数の銘柄で同じトレンドを確認するべきということです。
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株式市場の分析でより重要となる考え方ですが、FXに当てはめるならば、相関関係のある通貨ペアや指標を確認するのが重要ということになるでしょう。
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法則⑤:トレンドは出来高でも確認できる
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出来高とは、一定期間中に成立した売買数量のことです。一般的に株式投資では出来高を確認することができ、市場の活性度合いや銘柄ごとの人気度を判断する指標となります。
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しかしFXでは、市場全体の出来高を正確に確認することは難しく、この法則はあまり当てはまらないと言われています。
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法則⑥:トレンドは明確な転換サインが出るまで続く
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ダウ理論では、発生したトレンドは明確なトレンド転換サインが出るまで継続すると考えます。
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ダウ理論でトレンドと見なされるのは、上昇トレンドならば安値は更新せずに高値を更新していく場合、下降トレンドならば高値は更新せずに安値を更新していく場合です。
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このような状況が続けば、明確なトレンドが発生していると見なすことができます。
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そして上昇トレンドで高値を更新せずに安値を更新した場合や、下降トレンドで安値を更新せずに高値を更新した場合は、トレンドの転換サインと見なされます。
2.ダウ理論を使ったチャート分析方法
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ダウ理論の6番目の「トレンドは明確な転換サインが出るまで継続する」という法則を踏まえ、トレンド転換サインの読み取り方を押さえておくと、トレンド相場でエントリーポイントを見極める際に活用できます。
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まず価格が上昇している場面では、安値は更新せずに直近の高値を更新していれば上昇トレンドが発生していると判断でき、直近の高値を更新したタイミングが買いのエントリーポイントとなります。
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その後、直近の高値を更新せずに安値を更新した場合、トレンド転換サインとなり、上昇トレンドは終了と判断できます。
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この時点で売りを入れることもできますが、その後一旦安値をつけた後の戻り高値のタイミングをエントリーポイントとすることもできます。
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実際のチャートでエントリーポイントの例を示すと、次のようになります。
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こちらは、豪ドル/円日足になります。
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ダウ理論はFXの相場で常に通用するわけではありませんが、考え方を押さえておくとトレンド相場での取引において大いに参考になるので、ぜひ覚えておくとよいでしょう。
6.3 FXでチャートパターン分析をするメリット
6.4 FXのチャートパターン18種類
6.4 FXのチャートパターン18種類
1.ヘッドアンドショルダーズ・トップ
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ヘッドアンドショルダーズ・トップは「三尊天井」とも呼ばれる、チャートパターンの代表的な形の一つです。
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真ん中に大きな山(頭)とその両サイドに小さな山(肩)を形成するのが大きな特徴で、両サイドの山の高値は、ほぼ同じ高さになります。
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2つの安値を結んだネックラインを下回ったところが、売りのエントリーポイントです。下降トレンドへ転換すると予測できます。
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ヘッドアンドショルダーズ・トップが完成したあとは、大きな山からネックライン上の安値の値幅分だけ、ネックラインからさらに価格が下降するとされています。
2.ヘッドアンドショルダーズ・ボトム
3.ダブルトップ
4.ダブルボトム
7.フィボナッチ数列
もくじ
7.1 線形漸化式を解こう
この記事は「
漸化式(フィボナッチ数列)を線形代数(線形空間、固有ベクトル)で解く方法を解説
」を引用しています。
1.線形漸化式とは
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フィボナッチ数列(Fibonacci sequence)は、うさぎの繁殖について考える数学モデルで、高校数学で扱うこともあるのではないでしょうか。
それは、次のようにして定まる数列$\{a_n\}_{n\in \mathbb{N}}$です。
$\Large \displaystyle a_{n+2}=a_{n+1}+a_n, \quad a_1=1, a_2=1$
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前の二項を足し合わせたものによって、新たな次の項が決まる。
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そしてその項によって、次々と数の列が定まっていきます。
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このような数列に関する方程式を、漸化式(recursive formula)、または差分方程式(difference equation)と呼ぶのでした。
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高校数学の範囲でも、「特性方程式を使えば解ける」という話を扱うかもしれませんが、なぜ特性方程式を使うと解けるのかは、わからないのではないでしょうか。
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今回は、それを線形代数学の立場から整理して説明します。
2.線形漸化式、線形差分方程式
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フィボナッチ数列を定める漸化式「$a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$」は、線形漸化式、線形差分方程式です。
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なぜかと言えば、方程式を満たす任意の数列「$\{ a_n \},\{ b_n \}$」と任意の定数「$c$」に対し、
「$\{ a_n + b_n\},\{ c\cdot a_n\}$」も方程式を満たすからです。
$\Large \displaystyle a_{n+2}+b_{n+2}=a_{n+1}+a_n+b_{n+1}+b_n$
$\Large \displaystyle =(a_{n+1}+b_{n+1})+(a_n+b_n)$
$\Large \displaystyle c\cdot a_{n+2}=c(a_{n+1}+a_n)$
$\Large \displaystyle =c\cdot a_{n+1}+c\cdot a_n$
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これは次のように言い換えられます。
$\Large \displaystyle V:=\{\{a_n\}|a_{n+2}=a_{n+1}+a_n \}$
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と集合を定め、「$V$」が線形空間(ベクトル空間)になるとき、その方程式を線形であると言います。
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方程式の解が定める線形空間「$V$」を、解空間(solution space)と呼びます。
-
与えられた線形空間に対し、必ず基底と呼ばれるベクトルの集合が存在し、その個数(次元)は一意に定まるのでした。
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Vは2次元です。
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「$d_1=1,d_2=0$」によって定まる数列を「$\{d_n\}$」、「$e_1=0,e_2=1$」によって定まる数列を「$\{e_n\}$」とすると、
「$\{\{d_n\},\{e_n\}\}$」は基底なので、「$V$」の数列は、最初の2項の値のみによって決まるわけです。
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目標は、解空間「$V$」のわかりやすい基底を得ることです。
つまり、「$n$」によって明示的に表される基底を得たら、漸化式を満たす数列「$\{a_n\}$」はその線形結合として表されるわけですから。
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今回、そのわかりやすい基底は、方程式から自然に定まる行列の固有値、固有ベクトルによって得られます。
3.写像を考える
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数列の項を1つだけずらす写像「$T:V\rightarrow V$」を考えましょう。
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つまり、「$T(\{a_n\}):=\{a_{n+1}\}$」です。「$T$」は線形写像になります。
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このシフト写像「$T$」は、基底「$\{\{d_n\},\{e_n\}\}$」によって行列として表現できます。
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一般に、「$d_{n+1}=d_n+e_n,e_{n+1}=d_n$」という関係式が成り立っているので(???)、
$\Large \displaystyle T(\{d_n\},\{e_n\})=(\{d_{n+1}\},\{e_{n+1}\})$
$\Large \displaystyle =(\{d_{n}\}+\{e_{n}\},\{d_{n}\})$
$\Large \displaystyle =
\begin{pmatrix}
1 & 1 \\
1 & 0
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\{d_{n}\} \\
\{e_{n}\}
\end{pmatrix}
$
-
と行列(「$A$」としましょう)によって表されます。これは漸化式
$\Large \displaystyle
\begin{pmatrix}
a_{n+2} \\
a_{n+1}
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
1 & 1 \\
1 & 0
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
\{a_{n+1}\} \\
\{a_{n}\}
\end{pmatrix}
$
-
に対応しているものです。
5.まとめ・一般化
-
今回の話をまとめつつ、一般化してみましょう。
-
漸化式「$a_{n+r}+b_1 a_{n+r-1}+\cdots+b_n a_r=0 $」によって定まる数列「$\{a_n\}$」を、
最初の「$n$」項によって表したいという問題を考えます。
-
このとき、方程式は線形で、解空間「$V$」は「$n$」次元の線形空間になります。
数列を一つずらすシフト写像「$T$」Tを考えると、その特性方程式は
$\Large \displaystyle \lambda^n+b_1\lambda^{n-1}+\cdots+b_{n-1}\lambda+b_n=0$
-
となります。
-
もしこれが重複する解を持たないならば、固有ベクトルたちは「$V$」の基底となります。
-
シフト写像「$T$」の固有ベクトルとは、公比「$\lambda$」の等比数列なので、一般項が最初の「$n$」項によって求められます。
$\Large \displaystyle a_n = c_1\lambda_1^n+c_2\lambda_2^n+\cdots+c_n\lambda_n^n$
-
このとき、固有ベクトルを並べた行列を「$P$」とすると、
$\Large \displaystyle P^{-1}AP =
\begin{pmatrix}
\lambda_1 & 0 & \cdots & 0\\
0 & \lambda_2 & \ddots & \vdots\\
\vdots & \ddots & \ddots & 0\\
0 & \cdots & 0 & \lambda_n\\
\end{pmatrix}
$
-
と対角行列になるのでした(これを行列「$A$」の対角化という)。
-
対角行列は、その「$n$」乗を簡単に計算できる(対角成分を$n$」乗した行列になる)性質があります。
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したがって「$A^n$」が計算できるので、一般項が求められたわけです。
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フィボナッチ数列の場合は重複する解を持ちませんでしたが、重複する解を持つ場合でも、工夫すれば一般解を求められます。
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対角化はできなくとも、「$A^n$」を計算しやすいような形にできれば良いわけです(対角化はできなくても、ブロック対角化はできる)。
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そのためには、広義固有空間、ジョルダン標準形の考え方が必要です。
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漸化式は、多くの現象を表す常・偏微分方程式を、コンピュータにおいて離散的に解くときに登場します(差分法)。
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区間を「$n$」等分した解の近似列は、「$n$」項間の漸化式となり、線形代数の枠組みに収まります。
参考:工学部における線形代数 – 数理解析研究所講究録
7.2 FXへの応用
1.フィボナッチ比率を用いた手法の例
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フィボナッチ比率を用いたトレード手法の例として主に次の4つが存在します。
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フィボナッチ・アーク
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フィボナッチ分析に時間の概念を盛り込んだテクニカル分析で、アーク(円弧)を用いて価格と時間の両方の側面から、予測を行います。
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フィボナッチ・エクスパンション
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フィボナッチ・リトレースメントによく似たテクニカル分析で、トレンド相場において押し目や売りのポイントがどこなのかということを予測するテクニカル分析です。
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主に利益確定に使うとされており、状況やタイミングによってフィボナッチ・リトレースメントとの使い分けが求められます。
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フィボナッチ・タイムゾーン
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フィボナッチ・タイムゾーンは1、2、3、5、8、13、21、34とフィボナッチ数列の間隔に垂直線を引くテクニカル分析です。
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それぞれの線の近くで大きな値動きが期待されるとされており、これもアーク同様に時間の概念に主眼を置いたものになります。
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フィボナッチ・リトレースメント
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最後にフィボナッチ・リトレースメントです。これはトレンド発生時の押し目と戻りがどの価格を目標として推移するのかを把握するテクニカル分析です。
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フィボナッチを用いたテクニカル分析の中では最も有名で、一般的に「フィボナッチ」といえばこのフィボナッチ・リトレースメントを指すケースが多いです。
以上
8.固有値と固有ベクトル
もくじ
8.1 固有値・固有ベクトル
1.固有値・固有ベクトルの定義
2.固有空間の定義
8.2 固有多項式(特性多項式)
1.固有多項式(特性多項式)とは