経済のお勉強:FX

(2024/2/5 ver.0.02)
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1.What's new

もくじ

1.1 FXとは何か

1.FXとは何か(基礎編)
  • FXが流行っている理由
  • 「外貨預金」「株」「投信」との比較
  • 「FX」の5つのリスク
  • 「通貨ペアX」とは
2.FXとは何か(応用編)
  • イキナリ実践のススメ
  • ドル/円が1円動いたら、いくら儲かるか(損するか)

1.2 FXとカオス理論

1. FXのランダムウォーク
  • ランダムウォークとは簡単にいうと、市場の値動きに規則性がないことをいいます。
  • ある程度相場経験がある方はもう嫌というほど感じているかもしれませんが、規則的に動いている値動きなんて見たことないと言って良いほどですよね。
  • 「いやいや、規則的な時もあるよ。」
  • という方もみえると思いますが、マーケットの大部分は効率的であり、ランダムウォークが支配していることは真実です。
  • 金融用語
    • 「効率的」→ランダムで収益性のないこと
    • 「非効率的」→規則的で収益性の見込める状況のこと
  • 現に「規則的」と感じている人でも、その規則的な値動きが自分の利確ポイントまで続いた時なんてほとんどないですよね?
  • 途中で加速して急上昇したり、逆に減速して反転してきたり、、「!?!?」と思う値動きが多いのは事実です。
  • しかし、そんなマーケットにも少なからず非効率な部分、規則的のような部分が存在するからこそ、勝っている投資家がいるのです。
  • 言ってみれば、その非効率な局面をうまく利用するために、色とりどりの相場分析の方法があるわけです。
  • ですからランダムウォークが支配する局面をできるだけ取り除いてトレードができるかどうかは、勝ち続けていく上で非常に重要な命題となってきます。でも実際にはランダムでない規則的な部分というのは、後になって気づくことが多いのと、結果論として非効率になっていたという部分が多いのも事実です。
  • 「その中で」です!その中でも、比較的簡単に見方を変えるだけでランダム性をシンプルに見れる方法があると言ったら少し気になりますよね?笑)
  • それが今回のテーマであるカオス理論とその見極めです。
  • ではカオス理論とは一体なんなのでしょうか?
2. カオス理論とは
  • カオスとは、物理学的にいうと、ある一定の法則に従っているにも関わらずわずかな動きが増幅され、予測不可能な不規則な動きをする現象のことをいいます。
  • つまりシンプルに言い換えると、カオス理論が発生する一部分の瞬間を除いたら、全体的にはそこそこ規則的な動きをしているということです。
  • 実際カオスは主に自然界で多く見られています。
  • 例えば、代表的なものに「氷が水になる瞬間」が挙げられます。
    • 理科の教科書で習った通りにいくと、氷は0°になると溶け出します。
    • しかし、実際に氷が解ける瞬間には「氷が水になる」というわずかな動きが増幅されて、水が氷になったり氷が水になったりする予測不可能な臨界現象が起こります。
  • この臨界現象はまさにカオスの典型です。
  • 全体として眺めていると「氷が水になっただけ」と見れますが、一部の瞬間には「水が再度氷になったり、その氷が再度溶けたり」といったカオス的振る舞いをしているのです。
  • そこで、ただでさえランダムな世界であるFXでも、「カオス」といえる局面、瞬間が存在するのであれば今見えている「ランダムな値動き」も、もしかしたら「方向感のある値動き」かもしれませんよね?!
3. FXのカオス的動向とは
  • ここからが「FXとカオス」のターンです。
  • FXにおいてカオスを捉える際に意識してほしいのが「方向感」です。
  • 方向感とはその名の通り、ある一定の方向に向かって価格が動いている様子をいいます。方向感が「上」だとか「下」だとか簡単なイメージをもってもらえたらOKです。とにかく、一定の方向を目掛けて動いている状況です。
  • しかし、ここにカオスが存在するとどういった値動きになるでしょうか?
  • 予想は大体つく方もいると思いますが、大きく上下に乱高下します。そして大切なのが「カオスは一時的」であることです。ある一部分だけは不規則なカオス的動向をしたとしても、また元の方向感に戻り、一定の方向を目指して動きます。
  • さっきまで方向がずっと上向きだったのに、いきなり下に大きく動いた。
    • と思ったら今の下方向の動きを無視して今度はまた上昇してきた。
    • 結局、後になってみると途中ノイズのような動きはあるが、しっかり上方向を保ちながら上昇している。
  • このような動き。
  • 本当によくありますよね。。
  • ここで多くの人が陥りやすい罠として「往復ビンタ」があります。
  • 往復ビンタは、例えば今テクニカル分析で上方向に仕掛けていたところ、急に下方向に大きく動いたので慌てて損切りすると共に下方向に仕掛け直したところ、再度上昇してまた損切りを喰らうというような状況のことです。 
  • 一回の損切りをビンタ一回とカウントして、上下で二回、つまり往復ビンタです。笑)
  • これを喰らうと大抵場合はメンタルが萎えますよね。
  • そして実は今回の肝となるカオス理論と往復ビンタはけっこう身近な存在なんです。
  • テクニカル分析をしていく上でよくある状況がこんな状況。
  • 「今はどう見ても買いなのに、直近で乱高下している値動きがあるからなんか買いでは仕掛けづらい。」
  • 例えばまさにこの記事を買いている今日、そのような値動きがありました。 
  • 直近で大きな陰線を形成しており、下方向にも見えなくはないシナリオですよね。
  • このような時、どういう方向感をもって分析すべきなのか?
  • ここからは、そのアプローチの仕方を見ていきましょう。
4. カオスを見極める
  • カオスにアプローチする際にまずおさえておきたいのが、カオス的動向が多く見られるのはどのような時かということです。
  • 結論からいうと、以下のような時にカオスは発生しやすいです。
    • カオス出現ポイント
      1. 経済指標発表時
      2. 明け方早朝のサーバーメンテナンス時
      3. 三大市場開始時のディーリングタイム(特にLN)
      4. 要人発言や政策金利発表時
      5. リスクオフ材料が急に織り込まれる時
  • 一応の目安として起きやすい順に❶〜❺まで並べてあります。
  • 経済指標時は最も多いと言って間違いないと思います。明け方早朝のメンテナンス時もそこそこ多いです。市場のディーリングタイムというのは、「各市場が開場する前にFX会社や大手金融機関、ヘッジファンドが個人投資家の損切りが溜まってそうな近くのポジションをサクッと損切りに追い込む時間」とイメージしてもらうとわかりやすいです。要人発言や政策金利発表は場数こそ少ないものの、開催された直後はカオス的動向が多く見られます。リスクオフ材料が急に織り込まれる時というのは、V字回復したり、V字になったと思いきや真ん中に戻ってヨコヨコの値動きだったりと、しばしばカオスになります。逆に、リスクオフでカオスにならない値動きというのは、誰が見ても市場のリスク懸念材料があり、暴落が突き進む時なので下手に手を出すべきでない時です。
  • これでメインのカオス出現ポイントを抑えたので、次はカオスの見極め方とその後のアプローチを見ていきましょう!
  • まず具体的なカオス的動向の実例を2点最初に挙げておきます。 
  • カオスの実例❶

  • カオスの実例❷

  • いかがでしょうか?
  • カオスを見極めるポイントとして以下の点が挙げられます。
    1. カオス発生時にボラティリティが拡大する
    2. 発生直後数時間にカオスを見極めるのは難しい
    3. その日の引けまでの値動きを見て一定の変化率が見られたら途中の乱高下はカオスの確率が高い
  • まずご覧の通り、カオス発生時に値動きは急な増幅、拡大を生みます。つまり一時的にボラティリティが大きく増加していることが条件です。
  • 次にカオスが起きた直後に「カオスを見抜くこと」は困難です。直後であれば単に大きな上昇や下落の始まりかもしれませんし、単に乱高下だけで終わる確率も高いからです。
  • ではいつカオスを見極めるかというと、主に日足が形成された早朝です。その日の値動きを俯瞰してみて、一時的に値動きが乱高下している部分はあるけれど、その一部を除いたらしっかり方向感のある動きをしているなと思ったらカオスの確率が高いです。
  • 以上がカオスの見極めとなります。
  • そしてカオス的動向が発生する堅調な値動きというのは、経験上トレンドの始まり、エリオット波動でいう推進波の第1波であることが多いです。
  • つまり、トレンドフォローのトレーダーにとっては究極の収益化局面ですよね!第3波が狙えるので!
  • ここをうまくアプローチしていくことで、カオス的動向の際に収益を最大化することが可能となります。
  • ぜひトライしてみてください!
5. まとめ
  • ただでさえ「ランダム」「不確実性」という看板が目立つFXですが、中にはそのランダムを逆手にとれるカオスが存在することを本記事で掘り進めてきました。
  • 私自身もまだまだ手探りで改善を重ねている最中で、さらに磨きをかけていく上でこのカオス理論というのはかなり分析においては重要な項目の一つだと思います。
  • 皆さんが本記事を参考にFXのランダム性を少しでも排除した、非効率の世界を見極められるよう陰ながら応援しています。
  • 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

1.3 エリオット波動理論の基礎知識

この記事は、「みんなのFX」を 引用しています、

1. チャートを長期的に俯瞰する
  • チャートを長期的に俯瞰してみたとき、底と天井には何らかの法則性があるように思えます。
  • 一般的には景気循環(好況と不況のサイクル)との関連性が理由とされています。
  • 景気循環に関しては経済学においてコンドラチェフ・ジュグラー・キチンなどの理論が有名です。
  • この理論をチャート上の値動きにおいて確立したのが「エリオット波動理論」です。それでは解説していきます。
2. エリオット波動理論とは
  • エリオット波動理論はチャート理論の一つで、エリオット波動とも言われます。
  • 米株アナリストのラルフ・ネルソン・エリオットによって1938年に研究・発見された歴史ある理論です。
  • この理論を一言で表すと「相場波動は5つの上昇波と3つの下降波を基本としてひとつの周期が成り立っているとする考え方」というものです。
  • これらの周期は人間の集団心理によって繰り返されるとされており、数分から数年といった様々な時間軸において観察されます。
  • もとは株式チャートの分析手法として誕生しましたが、今では株式のみならず為替をはじめとする投資に関連する相場全体の分析手法として用いられています。
  • 波動の規模には、以下のようなサイクルがあります。
    • グランドスーパーサイクル(100年以上)
    • スーパーサイクル(50年)
    • サイクル(10年)
    • プライマリー(3-5年)
    • インターミディエット(30週-50週)
    • マイナー(10週)
    • ミニュット(3-5週)
3. エリオット波動理論の基本
  • エリオット波動の基本は「5つの推進波」と呼ばれる波と「3つの修正波」と呼ばれる波からなります。
  • 波の事を波動と呼ぶこともありますが、基本的には同じ意味です。
  • 「推進波」は相場が進行することで上昇の場合もあれば下降の場合もあります。
  • 「修正波」は推進波の5波動が終わったら、価格を逆行して修正する波のことです。
  • エリオット波動理論はとっつきにくいイメージが持たれがちですが、基本原則は次のたった3つだけです。
    • 波動1・3・5の中で波動3が一番短くなることはない
    • 波動2が波動1よりも安値をつけることはない
    • 波動4が波動1の高値を下回ることはない
  • これらの原則をおさえればエリオット波動への理解は比較的深まりやすいでしょう。
  • これらの基本原則に則った波動がいくつにもフラクタル構造(入れ子状態)になっており、 その組合せで分析の幅が広がっている点も併せておさえておきたいポイントです。
  • 推進波の5つの波は出てくる順番に1波、2波、3波、4波、5波と呼ばれています。
  • 波の構造をみると1波、3波、5波が大きな波となりアクション波、その流れを一時中断したり逆方向に戻す小さな波を2波、4波のリアクション波と呼びます。
  • 基本的な周期は1(アクション波)→2(リアクション波)→3(アクション波)→4(リアクション波)→5(アクション波)のワンセットです。
  • これら波の1つ1つがフラクタル構造になっているので、1波の中に更に5つの波が存在しているということになります。
  • また修正波も同様に波の呼び名がa波、b波、c波と変わりますが、a波(アクション波)→b波(リアクション波)→c波(アクション波)の一連の動きは同じ動きで価格を戻していきます。
4. エリオット波動とフィボナッチ比率
  • エリオット波動はフィボナッチ比率の黄金比をベースとしています。
  • そのためフィボナッチ比率を活用することで波動の転換点を予測することができます。
  • フィボナッチ比率は自然界や生命の起源を語る時や人が心地よいと感じる黄金比となっており、集団心理が働いているとされる相場やチャートの中にも自然と出現するだろうという考えに基づいています。
  • そのためチャートの分析にはフィボナッチ・リトレースメントを併用することが多いです。

1.4 エリオット波動の押さえておきたい特徴

この記事は、「みんなのFX」を 引用しています、

1. はじめに
  • エリオット波動の基本原則がわかった次は波動のパターンとチャートパターンを見ていきましょう。
  • これらの波動パタ-ンが部分的なパーツとしてチャートパターンを形成しています。
  • 基本原則>波動パターン>チャートパターンの順で理解を深めればエリオット波動に対する理解も深まるでしょう。
2. 6つの波動
  • I波動
    • 上昇もしくは下降のみを表す1本の線で表されるシンプルな波動です。
    • I波動を形成したあとにV波動となる傾向があります。
  • V波動
    • V波動はI波動が2つ連続して形成される波動です。
    • V波動はI波動のあとに形成され、N波動などに繋がるケースがしばしば見られます。
  • Y波動
    • Y波動は逆三角形のペナントを形成する波動で後述するP波動の逆の波動です。
    • 徐々に値幅が大きくなっていくため、高値・安値を更新しながら拡大三角を形成していきます。
    • つまり、高値→安値→高値→安値→高値→安値を更新しながらペナントを形成するということです。
    • エントリー難度が非常に高く、トレード上級者でもY波動に関してはトレードを控える傾向にあります。
  • P波動
    • P波動は三角形のペナントを形成する波動で三角持ち合いと呼ばれる状況で出現します。
    • 形成されたのちはN波動への繋がりが考えられます。
  • N波動
    • N波動は上昇・下降の値幅が等しい波動のことです。
    • N波動は最も基本的な波動で、このN波の中に様々な波動が形成されるパターンが殆どです。
    • レンジ相場や上昇・下降トレンドの発生時にもN波は形成されます。
  • S波動
    • S波動は高値(安値)更新した後に修正波が入った場合に、前回の高値(安値)がサポート・レジスタンスとして機能し再び反発後、高値(安値)をつけにいく波動です。
    • N波動後に反発し、形成されるケースが多いです。
    • 高値(安値)を連続で更新するので強気のトレンドが発生している際に形成される傾向にあります。
3. よく見られるトレンド回帰型のチャートパターン
  • トライアングル
    • 上昇・下降の値幅が次第に狭くなるチャートパターンで三角形を描きながら横ばいの波動となっていきます。
    • 通常は徐々に収束していきますが、波動の形で上昇型トライアングル・下降型トライアングル・拡大型トライアングル・ランニングトライアングルといった複数の種類のいずれかに分類されます。
  • ブロードニングフォーメーション
    • 最高値更新と最安値更新を交互に繰り返して拡大していく波動です。
    • 逆三角形の形状をしており、先程のY波動と形は同じとなります。
    • 通常のトライアングルと異なり、取引量・取引参加者が徐々に増えていくシチュエーションで形成されます。
    • そのためマーケットの天井で形成されるパターンが多いとされています。
  • ペナント
    • トライアングルとほぼ同義です。
  • フラッグ
    • 高値同士と安値同士を結んだ長方形内で価格が上下し、均衡状態を保っている様子です。
    • 典型的なレンジ相場ですが、上昇もしくは下降方向に進行していることが特徴です。
    • 急激な値動きの前に形成されるケースが多いです。
  • ウェッジ
    • 値幅の小さな状態が長く続いている波動です。
    • トライアングルやペナントの進行方向がより鋭利な角度で形成されています。
    • 長い時間をかけて徐々に値幅が縮小するため比較的穏やかな相場時に形成されます。
    • しかし、エネルギーを貯めている状況とも言え、反発時は急激に反発する恐れがあります。
4. よく見られるトレンド転換型のチャートパターン
  • ダブル
    • 2つの山が出現しトレンドの終わりに形成される波動です。
    • ダブルトップとダブルボトムがあり、それぞれ上昇・下降トレンドの終わりに出現します。
    • トップは3,5波の山が、ボトムは2,4波の谷がそれぞれ山を形成します。
  • ヘッドアンドショルダー
    • 3つの山が形成される波動です。
    • 特徴としては5波にあたる真ん中の山が最も高くなる点が挙げられます。
    • トレンド時によく出現しますが、これも反転のサインです。
  • ライン
    • ライントップと呼ばれる山の頂点が同値に位置している波動です。
    • 相場が横ばいに推移していることを表します。
    • 相場の天井で見られますが、ラインの場合は1,3,5波の3回天井を付ける点に注意したいです。
  • ソーサ―
    • ラインとほぼ同じ状況で出現しますが、天井が直線ではなくおわん型の曲線となっていることが特徴の波動です。

1.5 エリオット波動理論の活用法

この記事は、「みんなのFX」を 引用しています、

1. はじめに
  • では実際に波動のパターンとチャートパターンをチャートの中に見つけた場合どのような取引戦略を立てればよいのでしょうか。
  • また、エリオット波動を自分の取引にどのように役立てればよいのでしょうか。
  • ここでは、エリオット波動理論を貴方のトレードに活用するための活用法を紹介します。
  • それでは見ていきましょう。
  • エリオット波動を利用する際はまずトレンドの発生をチャートから読み取りましょう。
  • 波動の基本形であるN波を見つけてトレンドの発生とトレンドの方向(上昇・下降)を捉えましょう。
2. 利益確定や損切りのタイミングを考える際に参考にする
  • 波動は値幅や方向感の分析に役立ちます。
  • そのため、利益確定ラインや損切ライン、またそのタイミングを考える際の参考になるでしょう。
  • 他のテクニカル指標と組合わせて使用して根拠を増やしておけば確度は高まるでしょう。
  • 当然、過信するのではなくそのラインで反発する一定の可能性があるという判断にとどめることは忘れないようにしましょう。
3. 3波の波に乗る
  • エリオット波動を用いた最もシンプルなエントリー方法は3波を捉えてエントリーする方法です。
  • 3波は全5波の中で最も上昇・下降する幅が大きく、大きな利益を狙いやすいメリットがあります。
  • 具体的なエントリーのタイミングですが、2波の途中、1波の高値(安値)を超えたタイミングです。
  • この高値(安値)を超えるかどうかはしっかりと確認する必要があります。
  • 決済のタイミングは3波の終盤がベストでしょう。
4. 4波の波に乗る
  • エリオット波動を用いたもうひとつの最もシンプルなエントリー方法は4波を捉えてエントリーする方法です。
  • 4波で3波と逆サイドの注文をすることで下落(上昇)局面でも利益を狙いにいけます。
  • ただ、4波は3波に比べて値幅が小さいので5波の推進波が来る前の決済を忘れないようにしましょう。
5. フィボナッチ・リトレースメントと組合せて使用する
  • フィボナッチ・リトレースメントは高値と安値の値幅にフォボナッチ比率をかけたもので、どこが波動の反転箇所(サポート・レジスタンス)となるかを判断する材料となります。
  • フィボナッチ・リトレースメントでは、「23.6%」、「38.2%」、「50.0%」、「61.8%」、「76.4%」の比率に自動的にラインが引かれるため視覚的にもどこで反転するのかといった判断が単純にしやすいのも特徴です。

以上

2.ファンダメンタルズ編

もくじ

2.1 FXの秘密

1.為替相場を動かす要因
2. 事実より連想や思惑が相場を動かす

2.2 経済指標

1. 米国雇用統計

以上

3.テクニカル分析編

もくじ

3.1 テクニカル分析とは

1.テクニカル分析は、FXの必須科目
  • テクニカル分析とは過去の価格推移を元にして相場を予測するため、主に過去の値動きを示すチャートを用いて分析します。
  • 価格推移を元にするテクニカル分析には「過去のパターンが繰り返される可能性が高い」との考え方が根底にあるため、似たようなパターンを探して相場予測を立てることがメインとなります。
  • チャートは縦軸が価格、横軸が時間軸となっており、時間軸を短期~長期で変えることもできます。
  • 短いものは1分(1分足)から長いものになると1ヶ月(月足)まであり、時間軸・値幅を変えることで通貨が上昇局面なのか下落局面なのか見え方も大きく違ってきます。
  • またチャートには投資家心理が反映されていると言われており、どの投資家もチャートを見ながらトレードをしています。
  • そのためチャートに現れる投資家心理を読みながら売買のタイミングを探ることもテクニカル分析と言えます。
  • チャートの中に移動平均線やボリンジャーバンド、RSI、MACD、一目均衡表といったテクニカル指標を組み合わせて用いることで、相場の過熱感やポイントを視覚的にも理解しやすくなります。

3.2 ローソク足

1.ローソク足の意味
  • ローソク足には様々な形状があり、上昇サインなのか、下落サインなのか、それぞれ意味合いが異なります。
  • 基本形を覚えておけば、将来の値動きを予測する上で役に立つでしょう。
  • 1本のローソク足は四本値と呼ばれる4つのデータから成り立っています。
  • 始値・高値・安値・終値の4つです。
  • そして四本値はそれぞれ次のような意味を指しています。

3.3 支持線と抵抗線

1.支持線と抵抗線とは
  • 上昇中の銘柄が目先どこまで上がるかを予想するとき、皆さんはどうしていますか。
  • 威勢のいいチャートを見るとまだまだ上昇しそうに見えるし、逆に下げ銘柄はどこまでも下落しそうに感じるものです。
  • そんなときに役に立つのが「上値抵抗線」や「下値支持線」をメドとする方法です。
  • 上値抵抗線とは過去の株価の高値と高値を結んだ線のこと。
  • 英語では「レジスタンス・ライン」といい、その水準まで買い進まれると、売り圧力が強まり、そこより先には行かなくなる価格帯を指します。
  • 過去にある価格帯で売り勢力と買い勢力が綱引きをしてたくさんの商いができたとします。
  • そして売り勢力が勝ち、株価は下落した。
  • もしその後、再び株価が回復し上昇を開始したとしても、かつて賑わったその価格帯まで来ると、戻り待ち売りが出て、株価の頭を抑えにかかるのです。
  • 市況解説では「シコリ」とか「フシ」と表現されることもあります。
  • また、「達成感が出て」などと表現されるように、単なる心理的フシ目、つまり500円とか1000円といった切りのいい水準が抵抗となる場合もあります。
  • 下値支持線は上値抵抗線の逆で、過去の安値と安値を結んだ線を指します。
  • そこまで売られるとさすがに買いが入り、反発の可能性が高くなります。

3.4 「保ち合い」パターン

1.「保ち合い」パターンとは
  • 三角保合い(トライアングルフォーメーション)パターンは、株価が上下しながらも横ばいの動きを続け(「保合い」)、その上下の動きがだんだん小さくなっていき、チャートの形が三角形のようになる状態のことを言います。 その後、上下に大きく動くと言われています。
  • 一般的には保合いの期間が長ければ長いほど、エネルギーを溜め込んでいる期間も長いので、より大きく動くと考えられています。
  • 重要度が非常に高いとされる分析手法です。
  • トライアングル
    • 上昇・下降の値幅が次第に狭くなるチャートパターンで三角形を描きながら横ばいの波動となっていきます。
    • 通常は徐々に収束していきますが、波動の形で上昇型トライアングル・下降型トライアングル・拡大型トライアングル・ランニングトライアングルといった複数の種類のいずれかに分類されます。
  • ブロードニングフォーメーション
    • 最高値更新と最安値更新を交互に繰り返して拡大していく波動です。
    • 逆三角形の形状をしており、先程のY波動と形は同じとなります。
    • 通常のトライアングルと異なり、取引量・取引参加者が徐々に増えていくシチュエーションで形成されます。
    • そのためマーケットの天井で形成されるパターンが多いとされています。
  • ペナント
    • トライアングルとほぼ同義です。
  • フラッグ
    • 高値同士と安値同士を結んだ長方形内で価格が上下し、均衡状態を保っている様子です。
    • 典型的なレンジ相場ですが、上昇もしくは下降方向に進行していることが特徴です。
    • 急激な値動きの前に形成されるケースが多いです。
  • ウェッジ
    • 値幅の小さな状態が長く続いている波動です。
    • トライアングルやペナントの進行方向がより鋭利な角度で形成されています。
    • 長い時間をかけて徐々に値幅が縮小するため比較的穏やかな相場時に形成されます。
    • しかし、エネルギーを貯めている状況とも言え、反発時は急激に反発する恐れがあります。

3.5 Wトップ、Wボトム

1.Wトップ、Wボトムとは
  • 2つの山が出現しトレンドの終わりに形成される波動です。
  • ダブルトップとダブルボトムがあり、それぞれ上昇・下降トレンドの終わりに出現します。
  • トップは3,5波の山が、ボトムは2,4波の谷がそれぞれ山を形成します。

3.6 ヘッド&ショルダー

1.ヘッド&ショルダーとは
  • 3つの山が形成される波動です。
  • 特徴としては5波にあたる真ん中の山が最も高くなる点が挙げられます。
  • トレンド時によく出現しますが、これも反転のサインです。

3.7 フィボナッチ・リトレースメント

1.フィボナッチ・リトレースメントとは
  • フィボナッチ・リトレースメントはイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数列をトレードに応用したものです。
  • 相場の上昇局面における一時的な押し目や、下降局面における一時的な戻りを予測するために使うテクニカル手法です。
  • 移動平均線などの有名なテクニカル分析と並び、多くのトレーダーや機関投資家にも愛用されるツールですのでぜひ覚えておきたいです。
2.フィボナッチ数列とフィボナッチ比率の意味
  • フィボナッチ数列、フィボナッチ比率、という何やら難しそうな単語がでてきましたが、中身を知ってしまえばとても簡単です。
  • 一体どんな数列、比率なのか、どなたでもわかるように説明します。
  • フィボナッチ数列とは
    • フィボナッチ数列は「前の2つの数を加えると次の数になる」という数列です。
    • イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが中世時代に発見したとされています。
    • 具体的には「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89…」と続き、終わりはありません。これらは、
    • 1+1=2
    • 1+2=3
    • 2+3=5
    • 3+5=8
    • といった具合に計算を行うことができます。
    • トレードでフィボナッチ・リトレースメントを使う際に数値を逐一計算する必要はありませんが、フィボナッチ・リトレースメントの根底にある考え方は頭の片隅に置いておきたいです。
3.フィボナッチ比率をFXに応用する方法
  • それでは実際に、フィボナッチ比率がFX取引のテクニカル分析でどうように使われているのか見ていきましょう。
  • フィボナッチ比率を用いたトレード手法の例として主に次の4つが存在します。
  • フィボナッチ・アーク
    • フィボナッチ分析に時間の概念を盛り込んだテクニカル分析で、アーク(円弧)を用いて価格と時間の両方の側面から、予測を行います。
  • フィボナッチ・エクスパンション
    • フィボナッチ・リトレースメントによく似たテクニカル分析で、トレンド相場において押し目や売りのポイントがどこなのかということを予測するテクニカル分析です。主に利益確定に使うとされており、状況やタイミングによってフィボナッチ・リトレースメントとの使い分けが求められます。
  • フィボナッチ・タイムゾーン
    • フィボナッチ・タイムゾーンは1、2、3、5、8、13、21、34とフィボナッチ数列の間隔に垂直線を引くテクニカル分析です。
    • それぞれの線の近くで大きな値動きが期待されるとされており、これもアーク同様に時間の概念に主眼を置いたものになります。
  • フィボナッチ・リトレースメント
    • 最後にフィボナッチ・リトレースメントです。
    • これはトレンド発生時の押し目と戻りがどの価格を目標として推移するのかを把握するテクニカル分析です。
    • フィボナッチを用いたテクニカル分析の中では最も有名で、一般的に「フィボナッチ」といえばこのフィボナッチ・リトレースメントを指すケースが多いです。
4.フィボナッチ・リトレースメントの使い方
  • では、具体的にフィボナッチ・リトレースメントの使い方を見ていきましょう。(みんなのFXのチャートでフィボナッチ・リトレースメントを表示させる操作方法は後述します。)
  • ラインの引き方
    • まず、ラインの引き方です。基本的には直近の高値と安値を結びます。
    • 「直近」の定義ですが、明確には決められていません。
    • ご自分の取引手法や取引時間軸に合わせて期間を決めてください。
    • また、ラインをローソク足の実体部分で引くか、ヒゲで引くか迷う場面があるかと思います。
    • 結論から言うと、ラインの引き方に正解はありません。
    • どちらか引いてみてうまく機能する方を採用する、もしくはご自分のルールでどちらを使うか事前に決めておくと良いでしょう。
  • 重視すべき割合
    • 直近の高値と安値を結ぶラインを引いたら、あとは自動的にフィボナッチ比率に基づいた水平線が表示されるのが一般的です。
    • 0%、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%、100.0%。この中で特に重要とされるのが23.6%、38.2%、61.8%です。
    • 半値を表す50%も補足的に見られる場合もあります。
    • これらのラインが下値支持線(サポートライン)や上値抵抗線(レジスタンスライン)になるケースが多いため、投資家から意識されやすいポイントとなります。
    • 下図のチャートは、ユーロ/ドル(EURUSD)の日足チャートにフィボナッチ・リトレースメントを表示させたものです。
    • 2020年3月に相場が大きく動き、その時の高値と安値の範囲で上下動している状況です。
    • 目先のポイントは、61.8%のラインとなります。
    • 一度、61.8%戻しに失敗しているので(丸で囲った部分)、今回も同じラインで押し戻されてしまうのか、それとも越えてくるのか、投資家の注目が集まるポイントとなります。
    • もし61.8%のラインを越えてきた場合には、その上の76.4%のラインが次のターゲットになると言っても良いでしょう。
5.フィボナッチ・リトレースメント機能の表示例:「みんなのFX」
  • 「みんなのFX」ではPC版取引システムと、スマートフォン用のアプリ版取引システムの両方でフィボナッチ・リトレースメントを表示することができます。
  • それぞれの表示方法を説明します。
  • PC版取引システム「FXトレーダー」での表示方法
    • ①チャート上部の描写ツール(鉛筆マーク)をクリックする
    • ②フィボナッチ・リトレースメントを選択する
    • ③起点となる高値(安値)をクリックした後に、終点となる安値(高値)をクリック
    • ④高値と安値を選択すると自動的に、フィボナッチ比率が表示される
  • アプリ版取引システム「FXトレーダーアプリ版」での表示方法
    • ①画面下のメニューからチャートを表示させる
    • ②画面右側にあるボタンから横棒3本マークのボタンをタップする
    • ③起点となる高値(安値)から終点となる安値(高値)までドラッグする
    • ④高値と安値を選択すると自動的に、フィボナッチ比率が表示される
  • PC版と異なり各ゾーンが色分けされていませんが、スマートフォンの画面サイズに最適化された視認性の高いデザインでフィボナッチ・リトレースメントをご確認いただけます。
  • 「FXトレーダーアプリ版」のチャート機能は、「みんなのFX」に口座開設していなくても、どなたでもご利用いただけます。
  • もちろんフィボナッチ・リトレースメントも、どなたでも無料で使うことが可能です。

4.FXの真実

もくじ

4.1 「米国」と「米ドル」が中心

1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている

4.2 動く時間にトレードする

1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている

4.3 「ニュース」を信じ過ぎるな

1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている

4.4 危機はチャンス(人様の逆を狙う)

1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている

4.5 3つのポイントで「相場観」は出来上がる

1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている

4.6 相場観をもとに「シナリオ」を作ろう

1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている

4.7 「負けている人の共通点に着目しよう

1.金融相場は米国が中心で、為替相場は「米ドル」を中心に回っている

5.ボク達のFX

もくじ

5.1 テクニカル分析とは

1.イベント前後の変動で儲ける
2.トレンドで儲ける
3.揉み合いで儲ける
4.値動きの癖で儲ける
5.テクニカルインディケーターを使う

5.2 相場の心理を掴む

1.相場がドルに対して「中立」の場合
  • 市場予想より良い結果
    • 「ドル買い」になりやすい
  • 市場予想より悪い結果
    • 「ドル売り」になりやすい
  • 市場予想とほぼ同じ結果
    • あまり、動かない
2.相場が「ドル買い」のバイアスの場合
  • 市場予想より良い結果
    • 「ドル買い」が加速しやすい
  • 市場予想より悪い結果
    • 多少の「ドル売り」、又は、あまり動かない
  • 市場予想とほぼ同じ結果
    • 「ドル買い」になりしやすい
3.相場が「ドル売り」のバイアスの場合
  • 市場予想より良い結果
    • 多少の「ドル買い」、又は、あまり動かない
  • 市場予想より悪い結果
    • 「ドル売り」が加速しやすい
  • 市場予想とほぼ同じ結果
    • 「ドル売り」になりやすい

6.ダウ理論

もくじ

6.1 ダウ理論とは?

1.ダウ理論とは?
  • ダウ理論は、米国の証券アナリストであったチャールズ・ダウ氏が提唱したチャート分析理論です。
  • 元は株式市場の分析のために導き出された理論ですが、FXでも通用するものとして多くのトレーダーに活用されています。
2.ダウ理論の6つの法則
  • ダウ理論は次の6つの法則から構成されます。
  • 法則①:価格はすべての事象を織り込む
    • 経済指標や金融政策といったファンダメンタルズ要因、戦争やテロ、災害なども含めて、全の事象はチャート上の値動きに反映されているという意味です。
    • 相場の値動きはこれらの事象を受けて形成される需給バランスによって日々変動しており、逆に言えばすべての情報が織り込まれた結果が現在のチャートであると考えることができます。
    • 「チャートがすべてである」とも言えるこの考え方は、FXにおいてチャート分析を重要視することの根拠となります。
  • 法則②:トレンドは3種類ある
    • ダウ理論では、相場には次の3種類のトレンドがあるとされます。
    • 1年から数年間継続する「長期トレンド」
    • 3週間から3ヶ月間継続する「中期トレンド」
    • 3週間未満の「短期トレンド」
  • 法則③:トレンドは3段階ある
    • ダウ理論ではさらに、トレンドには次の3つの段階があると考えます。
    • 第一段階「先行期」
      • 一部の先行投資家が底値で買ったり、天井から売ったりして価格に緩やかな動きが出る時期。
    • 第二段階「追随期」
      • 先行期の動きに市場全体が追随して急激な価格変動が起きる時期。
    • 第三段階「利食期」
      • 先行期にエントリーしていた投資家が利益確定を行う時期。
  • 法則④:平均は相互に確認される
    • より高い精度でトレンドをとらえるためには、複数の銘柄で同じトレンドを確認するべきということです。
    • 株式市場の分析でより重要となる考え方ですが、FXに当てはめるならば、相関関係のある通貨ペアや指標を確認するのが重要ということになるでしょう。
  • 法則⑤:トレンドは出来高でも確認できる
    • 出来高とは、一定期間中に成立した売買数量のことです。一般的に株式投資では出来高を確認することができ、市場の活性度合いや銘柄ごとの人気度を判断する指標となります。
    • しかしFXでは、市場全体の出来高を正確に確認することは難しく、この法則はあまり当てはまらないと言われています。
  • 法則⑥:トレンドは明確な転換サインが出るまで続く
    • ダウ理論では、発生したトレンドは明確なトレンド転換サインが出るまで継続すると考えます。
    • ダウ理論でトレンドと見なされるのは、上昇トレンドならば安値は更新せずに高値を更新していく場合、下降トレンドならば高値は更新せずに安値を更新していく場合です。
    • このような状況が続けば、明確なトレンドが発生していると見なすことができます。
    • そして上昇トレンドで高値を更新せずに安値を更新した場合や、下降トレンドで安値を更新せずに高値を更新した場合は、トレンドの転換サインと見なされます。
2.ダウ理論を使ったチャート分析方法
  • ダウ理論の6番目の「トレンドは明確な転換サインが出るまで継続する」という法則を踏まえ、トレンド転換サインの読み取り方を押さえておくと、トレンド相場でエントリーポイントを見極める際に活用できます。
  • まず価格が上昇している場面では、安値は更新せずに直近の高値を更新していれば上昇トレンドが発生していると判断でき、直近の高値を更新したタイミングが買いのエントリーポイントとなります。
  • その後、直近の高値を更新せずに安値を更新した場合、トレンド転換サインとなり、上昇トレンドは終了と判断できます。
  • この時点で売りを入れることもできますが、その後一旦安値をつけた後の戻り高値のタイミングをエントリーポイントとすることもできます。
  • 実際のチャートでエントリーポイントの例を示すと、次のようになります。
  • こちらは、豪ドル/円日足になります。
  • ダウ理論はFXの相場で常に通用するわけではありませんが、考え方を押さえておくとトレンド相場での取引において大いに参考になるので、ぜひ覚えておくとよいでしょう。

6.3 FXでチャートパターン分析をするメリット

6.4 FXのチャートパターン18種類

6.4 FXのチャートパターン18種類

1.ヘッドアンドショルダーズ・トップ
  • ヘッドアンドショルダーズ・トップは「三尊天井」とも呼ばれる、チャートパターンの代表的な形の一つです。
  • 真ん中に大きな山(頭)とその両サイドに小さな山(肩)を形成するのが大きな特徴で、両サイドの山の高値は、ほぼ同じ高さになります。
  • 2つの安値を結んだネックラインを下回ったところが、売りのエントリーポイントです。下降トレンドへ転換すると予測できます。
  • ヘッドアンドショルダーズ・トップが完成したあとは、大きな山からネックライン上の安値の値幅分だけ、ネックラインからさらに価格が下降するとされています。
2.ヘッドアンドショルダーズ・ボトム
3.ダブルトップ
4.ダブルボトム

7.フィボナッチ数列

もくじ

7.1 線形漸化式を解こう

この記事は「 漸化式(フィボナッチ数列)を線形代数(線形空間、固有ベクトル)で解く方法を解説 」を引用しています。

1.線形漸化式とは
  • フィボナッチ数列(Fibonacci sequence)は、うさぎの繁殖について考える数学モデルで、高校数学で扱うこともあるのではないでしょうか。 それは、次のようにして定まる数列$\{a_n\}_{n\in \mathbb{N}}$です。
  • $\Large \displaystyle a_{n+2}=a_{n+1}+a_n, \quad a_1=1, a_2=1$

  • 前の二項を足し合わせたものによって、新たな次の項が決まる。
  • そしてその項によって、次々と数の列が定まっていきます。
  • このような数列に関する方程式を、漸化式(recursive formula)、または差分方程式(difference equation)と呼ぶのでした。
  • 高校数学の範囲でも、「特性方程式を使えば解ける」という話を扱うかもしれませんが、なぜ特性方程式を使うと解けるのかは、わからないのではないでしょうか。
  • 今回は、それを線形代数学の立場から整理して説明します。
2.線形漸化式、線形差分方程式
  • フィボナッチ数列を定める漸化式「$a_{n+2}=a_{n+1}+a_n$」は、線形漸化式、線形差分方程式です。
  • なぜかと言えば、方程式を満たす任意の数列「$\{ a_n \},\{ b_n \}$」と任意の定数「$c$」に対し、 「$\{ a_n + b_n\},\{ c\cdot a_n\}$」も方程式を満たすからです。
  • $\Large \displaystyle a_{n+2}+b_{n+2}=a_{n+1}+a_n+b_{n+1}+b_n$
    $\Large \displaystyle =(a_{n+1}+b_{n+1})+(a_n+b_n)$

    $\Large \displaystyle c\cdot a_{n+2}=c(a_{n+1}+a_n)$
    $\Large \displaystyle =c\cdot a_{n+1}+c\cdot a_n$

  • これは次のように言い換えられます。
  • $\Large \displaystyle V:=\{\{a_n\}|a_{n+2}=a_{n+1}+a_n \}$

  • と集合を定め、「$V$」が線形空間(ベクトル空間)になるとき、その方程式を線形であると言います。
  • 方程式の解が定める線形空間「$V$」を、解空間(solution space)と呼びます。
  • 与えられた線形空間に対し、必ず基底と呼ばれるベクトルの集合が存在し、その個数(次元)は一意に定まるのでした。
  • Vは2次元です。
  • 「$d_1=1,d_2=0$」によって定まる数列を「$\{d_n\}$」、「$e_1=0,e_2=1$」によって定まる数列を「$\{e_n\}$」とすると、 「$\{\{d_n\},\{e_n\}\}$」は基底なので、「$V$」の数列は、最初の2項の値のみによって決まるわけです。
  • 目標は、解空間「$V$」のわかりやすい基底を得ることです。 つまり、「$n$」によって明示的に表される基底を得たら、漸化式を満たす数列「$\{a_n\}$」はその線形結合として表されるわけですから。
  • 今回、そのわかりやすい基底は、方程式から自然に定まる行列の固有値、固有ベクトルによって得られます。
3.写像を考える
  • 数列の項を1つだけずらす写像「$T:V\rightarrow V$」を考えましょう。
  • つまり、「$T(\{a_n\}):=\{a_{n+1}\}$」です。「$T$」は線形写像になります。
  • このシフト写像「$T$」は、基底「$\{\{d_n\},\{e_n\}\}$」によって行列として表現できます。
  • 一般に、「$d_{n+1}=d_n+e_n,e_{n+1}=d_n$」という関係式が成り立っているので(???)、
  • $\Large \displaystyle T(\{d_n\},\{e_n\})=(\{d_{n+1}\},\{e_{n+1}\})$

    $\Large \displaystyle =(\{d_{n}\}+\{e_{n}\},\{d_{n}\})$

    $\Large \displaystyle = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \{d_{n}\} \\ \{e_{n}\} \end{pmatrix} $

  • と行列(「$A$」としましょう)によって表されます。これは漸化式
  • $\Large \displaystyle \begin{pmatrix} a_{n+2} \\ a_{n+1} \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} \{a_{n+1}\} \\ \{a_{n}\} \end{pmatrix} $

  • に対応しているものです。
5.まとめ・一般化
  • 今回の話をまとめつつ、一般化してみましょう。
  • 漸化式「$a_{n+r}+b_1 a_{n+r-1}+\cdots+b_n a_r=0 $」によって定まる数列「$\{a_n\}$」を、 最初の「$n$」項によって表したいという問題を考えます。
  • このとき、方程式は線形で、解空間「$V$」は「$n$」次元の線形空間になります。 数列を一つずらすシフト写像「$T$」Tを考えると、その特性方程式は
  • $\Large \displaystyle \lambda^n+b_1\lambda^{n-1}+\cdots+b_{n-1}\lambda+b_n=0$

  • となります。
  • もしこれが重複する解を持たないならば、固有ベクトルたちは「$V$」の基底となります。
  • シフト写像「$T$」の固有ベクトルとは、公比「$\lambda$」の等比数列なので、一般項が最初の「$n$」項によって求められます。
  • $\Large \displaystyle a_n = c_1\lambda_1^n+c_2\lambda_2^n+\cdots+c_n\lambda_n^n$

  • このとき、固有ベクトルを並べた行列を「$P$」とすると、
  • $\Large \displaystyle P^{-1}AP = \begin{pmatrix} \lambda_1 & 0 & \cdots & 0\\ 0 & \lambda_2 & \ddots & \vdots\\ \vdots & \ddots & \ddots & 0\\ 0 & \cdots & 0 & \lambda_n\\ \end{pmatrix} $

  • と対角行列になるのでした(これを行列「$A$」の対角化という)。
  • 対角行列は、その「$n$」乗を簡単に計算できる(対角成分を$n$」乗した行列になる)性質があります。
  • したがって「$A^n$」が計算できるので、一般項が求められたわけです。
  • フィボナッチ数列の場合は重複する解を持ちませんでしたが、重複する解を持つ場合でも、工夫すれば一般解を求められます。
  • 対角化はできなくとも、「$A^n$」を計算しやすいような形にできれば良いわけです(対角化はできなくても、ブロック対角化はできる)。
  • そのためには、広義固有空間、ジョルダン標準形の考え方が必要です。
  • 漸化式は、多くの現象を表す常・偏微分方程式を、コンピュータにおいて離散的に解くときに登場します(差分法)。
  • 区間を「$n$」等分した解の近似列は、「$n$」項間の漸化式となり、線形代数の枠組みに収まります。
  • 参考:工学部における線形代数 – 数理解析研究所講究録

7.2 FXへの応用

1.フィボナッチ比率を用いた手法の例
  • フィボナッチ比率を用いたトレード手法の例として主に次の4つが存在します。
  • フィボナッチ・アーク
    • フィボナッチ分析に時間の概念を盛り込んだテクニカル分析で、アーク(円弧)を用いて価格と時間の両方の側面から、予測を行います。
  • フィボナッチ・エクスパンション
    • フィボナッチ・リトレースメントによく似たテクニカル分析で、トレンド相場において押し目や売りのポイントがどこなのかということを予測するテクニカル分析です。
    • 主に利益確定に使うとされており、状況やタイミングによってフィボナッチ・リトレースメントとの使い分けが求められます。
  • フィボナッチ・タイムゾーン
    • フィボナッチ・タイムゾーンは1、2、3、5、8、13、21、34とフィボナッチ数列の間隔に垂直線を引くテクニカル分析です。
    • それぞれの線の近くで大きな値動きが期待されるとされており、これもアーク同様に時間の概念に主眼を置いたものになります。
  • フィボナッチ・リトレースメント
    • 最後にフィボナッチ・リトレースメントです。これはトレンド発生時の押し目と戻りがどの価格を目標として推移するのかを把握するテクニカル分析です。
    • フィボナッチを用いたテクニカル分析の中では最も有名で、一般的に「フィボナッチ」といえばこのフィボナッチ・リトレースメントを指すケースが多いです。

以上

8.固有値と固有ベクトル

もくじ

8.1 固有値・固有ベクトル

1.固有値・固有ベクトルの定義

    $\Large \displaystyle Ax = \lambda x$

  • が成立するとき「$x$」を「$A$」の固有ベクトル(英:eigenvector)「$\lambda$」を「$A$」の固有値(英:eigenvalue)と言う。
  • ただし,「$A$」は正方行列,「$x$」は「$0$」でないベクトル,「$\lambda$」は スカラーである。
2.固有空間の定義
  • 固有値と固有ベクトルに関連する概念として,「固有空間」があります。
  • 固有空間の定義は、正方行列「$A$」の固有値「$\lambda$」に対し,
  • $\Large \displaystyle W_\lambda = \{x|Ax=\lambda x\}$

  • で定まる線型空間 「$W_\lambda$」のことを,「$A$」の固有値「$\lambda$」の固有空間という。
  • つまり,固有空間とは同じ固有値「$\lambda$」に対応する固有ベクトルを集めた集合です。
  • ただし,ゼロベクトルも固有空間の元です。

8.2 固有多項式(特性多項式)

1.固有多項式(特性多項式)とは
  • 固有値,固有ベクトルを計算するために必要となる定理を解説します。
  • 以下を理解するには行列式($det$)に関する知識が必要です。
  • 「$\lambda$」が「$A$」の固有値である場合、以下の固有多項式(特性多項式)が成立する必要があります。
  • $\Large \displaystyle det(A-\lambda I)=0$