6.シャローイング
目次
1.クラブの入れ替え動作
上がったラインをなぞるようにクラブの入れ替えると「フリップ」になる
「
~伝説から最新打法へ~シャローイングの真実
」から
1.浅い入射角ほど、ヘッドでボールを「押し込める」
ベン・ホーガンが世界最高のボールストライカーとして評価されていたのは1950年代。
1970年代にジャック・ニクラスが活躍して以降、そのスウィング技術は旧式で難しいものとされてきた。
だが、解析機器の進化や有識者によるスウィング研究が深まるにつれ、改めてホーガンの技術が再評価されている。
以前はニクラスの影響で、方向性の高い強打にはヘッド軌道が飛球線に長く沿うアップライトなスウィングプレーンが有利であり、ヘッドの入射角もスティープ(鋭角)気味のほうがスピン量も増えて弾道のコントロール性も高まる、と考えられていた。
ところが、アップライトスウィングは腰など体への負担が大きく、またヘッドは円軌道なので、フラットスウィングに比べてインパクトゾーンが長いという根拠もないことから適度な傾斜のプレーンを1990年代から目指す動きが活発化。
するとインパクトゾーンも、上から見た「飛球線に沿うではなく」、地面の高さに「レベル(水平)に」と立体的に捉えるほうが、エネルギー伝達効率が高まり、弾道の安定にもつながることが判明。
それが「シャローイング」と提唱されるようになった。
2.シャロー軌道なら小さなトップで飛ばし屋に!
「シャローイング」をインパクトゾーンでの「たぐり動作」から逆算して考えると、ダウンはフラット軌道のほうがやさしい。
フラット軌道なら、腕をタテに振らず、右ひじが浮かないぶん、トップはコンパクトになるのが理にかなっている。
コンパクトトップで切れ味鋭いアイアンショットを放っていた名手に、全英オープンでニクラスとプレーオフを戦ったダグ・サンダースがいる。
スリークオーターよりもコンパクトなトップは電話ボックス内でも振れる、と言われたほどだが、全英の風にも負けない強弾道を駆使できるショットメーカーだった。
写真にあるように片膝をついた状態でもカッ飛ばせたチ・チ・ロドリゲスと同様、右肩より低い位置から振り出すヘッド軌道で「シャローイング」を実践していた。
もちろん、コンパクトトップだから「シャローイング」になるわけではなく、必須条件である「たぐり動作」とコンパクトトップは相性がいい、と捉えるのが正解だ。
3.シャローイングに欠かせない左手を低く「たぐる」動き
フラット軌道にすればいい、シャフトを寝かせて振り下ろせばいい、というわけではなく「ヘッドの円軌道をなるべく直線に近づけるという観点」で考え、それにはホーガンの技術に学ぶのが近道になると考えてもらいたい。
このポイントを「たぐり動作」にあると捉え、インパクトゾーンで右ひじを支点に、左手でグリップエンドをたぐり込みつつ、ヘッドをリリースすると、打球を目標方向に「押し込み」やすくなるのだ。
4.右ひじに支点をイメージしてグリップエンドを一気にたぐる
現在、「シャローイング」の手本となるプロはセルヒオ・ガルシア、シニアならベルンハルト・ランガーが筆頭だ。
特に学ぶべきは、支点となる右ひじのポジショニング。右足は内側に踏み込むベタ足で右ひざを前に突き出さず、右腰を高く保つことで右ひじも下がらない。
さらに左足がめくれるように左腰を開くことでグリップエンドを低く引き込んでいる。
これでカット軌道にならないのは、トップで背中側に振り上げ、右肩より低いプレーンでインサイドから振り出しているからだ。
グリップもラームのようにスクエアに近いほうが、たぐりやすいと気づくはずだ。
まずはショートアイアンで真似てみるのがいいだろう。
「シャローイング」の目的は、ボールをフェースに乗せること
パターやチッパーでボールをフェースに乗せるには、下半身で打つ事が重要である。